先に答えを書きます
AIに文章を作らせると、何度頼んでも似た文章が返ってくる。この原因は、AIの性能より指示文の書き方にあることが多いです。
Basiyでは、支援先のお店で、お客様が使う短い文章をAIで作る仕組みの指示文を作っています。その指示文を何度も直すなかで、文章を似せてしまう書き方が3つ見えてきました。
- 良い例を見せる
- 禁止したい言葉を、括弧の中で例として書く
- 「毎回変えて」と頼む
どれも、よかれと思って書きがちなものです。順番に書きます。
なぜ良い例を見せると、同じ文章になるのか
「こういう言い回しが理想です」と例を見せると、AIはその例をほぼそのまま使い回します。こちらは「この雰囲気で、いろいろ書いてほしい」つもりでも、AIにとっては「この文を使えばいい」という見本になってしまうんです。
結果、見せた例が新しい決まり文句になって、どの文章にも同じ言い回しが入りました。
なので今は、指示文に例を書いていません。代わりに「決まりきった言い回しや構成は避ける」といった、例を含まない書き方にしています。
禁止したい言葉は、どう書けば効くのか
ここは意外だったところです。
「『◯◯』という表現は使わない」と、1文で独立させて書いた禁止は、きちんと効きました。禁止した言葉が出てこなくなります。
効かなかったのは、言い換えの指示の中に、括弧で例を添えた書き方です。たとえば「難しい言い方は、やわらかい言葉に言い換える(◯◯など)」のような形です。こう書くと、括弧の中の言葉がかえって文章に出てきました。避けてほしくて書いた例が、AIには「使う言葉の候補」として読まれてしまうようです。
禁止したい言葉があるなら、括弧に入れず、それだけで1文にする。これだけで結果が変わりました。
「毎回変えて」と頼んでも変わらないのはなぜか
この仕組みでは、文章を1本作るたびに、AIを1回ずつ呼び出しています。AIは前に自分が何を書いたかを知りません。毎回が初対面のようなものです。
なので「毎回内容を変えて」「いろいろな視点で」と指示文に書いても、AIには比べる相手がいません。変えようがないわけです。
ではどうしたか。変化は、AIに渡す材料の側で作りました。お客様に選んでもらう質問を1つ足して、何回目の利用かを選べるようにしたところ、選んだ答えによって文章の書き出しや視点が変わるようになりました。AIに「変えて」と頼むのではなく、毎回ちがう材料を渡すと、文章もちがってきます。
ほかに気づいたこと
3つのほかに、指示文を直すなかで分かったことを2つ書いておきます。
選択肢の文言は、ほぼそのまま文章に出る
お客様に選んでもらう選択肢の文言は、大きく言い換えられずに、ほぼそのまま文章に入ります。なので選択肢は「そのまま文章に入っても自然か」で作り直しました。
文字数は幅で指定する
「150文字」とぴったり指定するより、「150〜200文字程度」のように幅で書くようにしています。
この話がどこまで当てはまるか
正直に書いておくと、これは1つの仕組みで確かめたことです。短い文章を1本ずつ作る使い方の話で、長い文章や、ほかのAIでも同じになるかは確かめていません。
それでも、ChatGPTなどに文章を頼んでいて「毎回似てしまう」と感じているなら、まず指示文の中に例が入っていないかを見てみてください。
まとめ
- 良い例を見せると、AIはその例を使い回す。指示文に例は書かない
- 禁止したい言葉は、括弧の中ではなく、独立した1文で書く
- 「毎回変えて」は効かない。変化はAIに渡す材料の側で作る
